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社長ブログ 日本人ノーベル賞受賞2021
日本人ノーベル賞受賞2021
皆さんこんにちは、豊田周平です。先日ノーベル賞受賞の素晴らしいニュースが入ってきましたが、今回の真鍋さんのノーベル物理学賞受賞について、元物理屋(本人は今も物理屋と自負してますが、現役ではないので)としてお話させていただければと思います。
今回の受賞について
メディアや研究者、そして、私も全く予想もしていませんでした。物理学賞は素粒子、宇宙物理、物性分野が均等に受賞するんですが、当然、私は真鍋先生のお名前も成果も知りませんでした。
しかし話を聞くとなるほど「確かに物理学やん。生理学・医学でも化学でもないし、使われているのは物理学の手法やん。」
そして昨今話題になっているし、皆で考えて、行動してどうにかしないといけない環境問題の基礎を作ったことが評価されたと。
真鍋さんと合わせて、選考委員(スウェーデン王立科学アカデミー)の皆さんに拍手です。
物理の真髄っていろいろな現象が数式で計算、予想できること。複雑な現象になると単純な数式ではできないのですが、いろいろな数式を組合せてコンピュータで計算を。
ノーベル物理学賞は
純粋な科学としての物理学
原子の構造や素粒子
宇宙がどうできたか
理科で出てくる◯◯効果(ラマン効果、フェルミレベル、チェレンコフ効果)
とか、物理量の単位・定数(ベクレル、キューリー、プランク定数)、装置の名前(ブリッジマン装置、ウィルソンの霧箱)、◯◯方程式(シュレジンガー方程式)とかに名前を残している人も多く、皆さんも知っている内容も多くあります。
私たちの生活に便利にしてくれた物理学賞の発明
2014 天野先生の青色LEDがよくわかるかと思います。振り返って欲しいのですが、受賞理由は「Energy saving」ってところです。そして実際、LED照明によってすごくエネルギーが節約されています。
もともとノーベルの発明はダイナマイトの発明で土木分野で大いに貢献しました。
そして、我々の今の便利な生活に直結したものでは、、第一回はX線のレントゲン Wilhelm Conrad Röntgen、1909 無線通信のマルコーニ Guglielmo Marconi、1956 トランジスタのショックレーら、1964 タウンズらのレーザー、2000 キルビーのIC、2009 カオの光ファイバ、2009 ボイルらのCCDなどがあります。
日本はどちらかといえば純粋科学が多いかもしれませんが、私の学んだ高圧物理学の分野でもブリッジマンが。この成果で合成ダイヤモンドが作られることに。
その他にも研究的成果や理論がなければ今の生活が無い様なものもいっぱいありますが、少し専門的になるので、興味のある方は調べてみて下さい。
折角の機会ですので以下もご参考に。
【今年の受賞について】
今回の3人の共同受賞者 “for groundbreaking contributions to our understanding of complex systems”
真鍋さんともうひとりに対して “for the physical modelling of Earth’s climate, quantifying variability and reliably predicting global warming” https://www.nobelprize.org/prizes/physics/
【物理学賞について】 https://www.nobelprize.org/prizes/facts/facts-on-the-nobel-prize-in-physics/
【2014年の天野先生たちの受賞については】 https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2014/summary/