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社長ブログ Dual Use~科学技術の裏表~
Dual Use~科学技術の裏表~
皆さんこんにちは。豊田周平です。私たちの身近で便利な技術の中でも「Dual Use」と呼ばれるものがあります。これは私たちの技術の世界でよく使われる言葉で、軍用にも民生にも使えるものを指しています。
このDual Useあるいは軍用と聞くと端から否定する方もおられますが、今の我々の便利な生活が多くのこういった技術に基いていることも知って欲しいです。
ダイナマイトは本来人の命を救うための開発
例えば、ノーベル賞を作ったノーベルが開発したダイナマイトも、本来は原料となるニトログリセリンの取り扱いが非常に難しく、誤爆発によって多くの方の命が落とされていたのを「安全に使える爆薬があれば、多くの人の命を救える」と開発し、出来たものでした。
しかし、その結果戦争などで使われるようになってしまい、逆に多くの人の命を奪う結果に。
開発者のノーベルはこのことで世間からの批判の声に心を痛め、遺言でノーベル賞ができました。
どんな便利なものでも、使い方や捉え方一つで人の命を救ったり、軍事利用されてしまうことの二面性を持っていますが、ダイナマイトの開発で命が救われたのも確かです。
身近なDualUse
身近なところで言うと例えば、自動ドアの赤外線センサは、ミサイルの誘導に使われていたり、空港機は戦闘機など軍事では欠かせない技術でしたし、、昔であれば金属工学が発達したのは高性能な大砲を作るためだったりと、今では私たちの身近にあるものも軍事技術から転用されているものがたくさんあります。他にもインターネットや暗号通信も、元々は軍事利用を目的に開発され、皆さんご承知の通り、今ではネットや暗号通信が無ければ生活も仕事ができないです。
このブログで何度もお伝えしているレーザーの技術も、兵器に使われているイメージが強いかもしれませんが、レーザーによって光ファイバ通信が可能になり、LINEやスカイプで無料通話が出来るようになったり、工業分野でも今までにない高精度な切断や溶接が可能になりました。
悪い部分があるとそのイメージが強くなってしまいますが、一方で私たちの生活を豊かにしてくれているのも確かです。科学技術だけでなく、使われ方に裏と表があるものはたくさんありますが、どちらの使われ方も知っておくことも大切です。