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社長コラム

    社長ブログ 先人の知恵

    先人の知恵

     

    皆さんこんにちは。豊田周平です。私は物性物理工学科出身のこてこての物理屋ですが、以前から気になっていた事があります。それは自分が成果を挙げた時、先輩や指導をしてもらった上司・先生の事が頭から抜けている人が多くなってきたこと。科学技術の世界では当たり前のように

    “先人の研究成果があってこそ、自分が研究できて新しいものが発明、発見される”

    と、昔からの理論や実験の積み重ねで新しいものが発見・発明されるのだと思ってきました。もちろん研究開発のためのお金も企業や国が出すからやれる訳で自分じゃ絶対にできません。

     

    オープンイノベーションの考え方

     

    例えば、ノーベル賞の受賞者は必ず○○先生の成果があってとか、先人に謝辞を言うのが一般的です。あれだけの偉業を成し遂げた人でも、過去の実績や積み重ねに感謝しています。

    でも「これは俺がやった!」っていう研究者(大学、企業を問わず)が相変わらず多い様で、大学の学生さんでもけっこうそうなってきていると先生方が嘆いておられました。。

    私が大学生の時は1年2年上の先輩(大学院生)に対しても完全にリスペクトしていましたが、今はそうじゃないようです。

    これでは先輩方が積み重ねてきた実績や結果を受け継ぐことなんて出来ず研究が伸び悩むのかと。

    また、実際研究している人だけでなく資金を出している人に対しても感謝を忘れてはいけないと感じていました。私が新入社員でメーカーの研究所に配属されて、研究開発費の多さに驚いた経験がありましたが、この意識を忘れて“資金を出してもらえるのが当たり前”なんて態度になったら、良い結果は残せないはず。

    最近では、企業や大学の垣根飛び越えて、いい知識や考え方をどんどん取り入れていくオープンイノベーションを採用している所も多くあります。

    まさに皆で協力して知恵、知識を集約してやろうって事ですね。これが広がれば、もっとよりいい研究結果が出るのかと。

     

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    ノーベル賞だって今までの積み上げがあったから

     

    近年日本でノーベル賞の受賞者が相次いでいるのは過去に基礎研究も含め投資をしてきたから。この結果が最近の受賞ラッシュを生んでいるんです。

    だから、今の研究が未来に繋がらないと10年後、20年後もノーベル賞受賞者がでるかどうかは分かりませんし、日本は資源が無い国です。海外から原材料を輸入してそれを加工、付加価値を高め輸出することで外貨を稼いで、食料や原油などを輸入しています。加工して付加価値を高めることができなくなったら江戸時代の生活にもどるしかなくなります。そのためにはしっかりと研究開発がいります。加工の部分だけだったら安い賃金の海外でもできるんだから、頑張らないと。

    私たちは過去から偉大な知識や知恵を多く受け継いできました。このバトンを、どこかで止めてしまうと取り返すにはかなりの時間を必要とします。そうならないためにも、先人の知恵に感謝して、自分の知識を未来に残すための努力を忘れてはいけません。

     

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